音楽の不思議


別宮貞雄氏の著書『音楽の不思議』の中でみつけた、面白い文章を一部紹介したいと思います。

2017年の今となっては、50年前の本ですが、その当時は現代音楽が白熱していた時代で、スターがたくさんいました。

当時の作曲界はすでに トータル・セリエリズム など物理法則や数学を使った作曲が盛んでした。その音楽に対して作曲家で、東大理学部卒でもある筆者が鋭くメスを入れています。

筆者自身は12音技法などの新しい方法論は認めていますが、芸術ということに関して言えば、数に囚われた音楽は好きではないそうです。
それがこの本の大きなテーマになっているので、筆者自身非常に注意深く書かれていて、僕が間違えた解釈を書きたくはないので、是非本を読んでください。以下抜粋です。

 

古典音楽の世界に入り、それを精細に調べれば調べるほど、それが見事にできていることに驚嘆する、そこに法が支配していることに感銘をうける。
音楽は決して夢のようなあやふやなものではない。優れた建築が、勝手気ままにこしらえたものではなく、重力と言う逃れがたい力に抗して、がっちりとまとまった固体をつくることに生まれるごとく、優れた音楽においては、時間の上にかけられた構造の奥に、重力にも比すべき基本的な力とそれに対して統一体をつくるための基本原則がみとめられること、これにまちがいはない。アルテュール・オネゲル (Arthur Honegger)がうまいことを言った。
良い音楽は安定して浮く船であり、わるい音楽は水に浮かべるとひっくりかえる船である というのだ。

別宮貞雄氏 著書『音楽の不思議』 から抜粋

 

 

古い新しいを超えて、全ての芸術に通じる事だと思います。どんなにバラバラに聴こえても、また見えても、世界の真理の中にスッと浮かんでいる。

凄く面白い本なので、是非読んでみることをお勧めします。