作曲家にして建築家 -ヤニス・クセナキス / Iannis Xenakis | 人人振動

作曲家にして建築家 -ヤニス・クセナキス / Iannis Xenakis

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僕にとって彼の音楽は特別で、数少ない宇宙を感じさせてくれる、最大限に尊敬している作曲家です :-) クセナキスはギリシャ系フランス人で、建築家であり、作曲家でもあります。

彼の音楽の特徴は「数学」、「建築」などを使った音楽が特徴です。そのように聴くと、知識だけの人が数式を適当に嵌めて音楽作ったんでしょ?と思うかも知れませんが、全然そんなことはありません。音楽的な素養の上で成り立ってる音楽です。

英語のサイトですが、公式のサイトがあります。 http://www.iannis-xenakis.org/

 

ヤニス・クセナキスの作品

ここから、クセナキスの作品を年代で追いながら、見ていきましょう。

 

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前期

美しいピアノ曲

何とかレッスン代を確保し、アルチュール・オネゲルに師事するが、批判と文句ばかりで辟易して一回でやめる。このころの作品は自主撤回するなどした。「オネゲルからの言葉は、もっぱら技術へのクレームに終始した」と本人は語る[2]。落胆した彼はその時期の作品を多く破棄したが、現在は破棄を免れた数作のみ現存する。ピアノのための『六つのシャンソン』はその時期の作品である。

その作品がこちら。

クセナキスの作品をすでに聴いたことがある人は、彼がこのような曲を作曲していた事に驚くのではないでしょうか?

 

この時代のクセナキスはこのように語っていたそうです。

I was trying to find my identity, and my Greek origins suddenly became important to me; the example of Mussorgsky and Bartók warned me that I had to understand and love Greek folk music.

僕は自分の個性を見つけようとしていたんだ、その時自分のギリシャ人としての存在が突然重要だと気付いた。

Mussorgsky や Bartók が故郷の音楽性を愛したように、ギリシャ音楽を愛してることに気付いたんだ。

聴いていると、バルトークのような雰囲気を感じますね。美しい作品です。そしてクセナキスは次の段階へ

 

数学を作曲に用いる

その後パリ音楽院オリヴィエ・メシアンらに師事する。このときメシアンに「君は数学を知っている。なぜそれを作曲に応用しないのか。伝統的な修練は、あってもなくても同じではないか」[3][4]と言われ、その慧眼に強い霊感を受けた。

そして数学で生み出されるグラフ図形を元に、縦軸を音高、横軸を時間と見做し音響の変化を綴る形で作曲したオーケストラ曲『メタスタシス』を1954年に作曲し、ドナウエッシンゲン音楽祭で鮮烈なデビューを飾る。『メタスタシス』は3部よりなる管弦楽曲『アナステナリア』(1952-54)の第3曲目であるが、あまりに作風が他とかけ離れて先鋭的であるため、これを独自に作品1とした。

 

Metastasis

いやー素晴らしくぶっ飛んだ作品です!とうとう自分の世界、音楽を発見した!といった感じです。

時間?確率?音楽?建築?名曲 Metastasis について
天才建築家、作曲家ヤニス・クセナキス みなさん、クセナキスを知っていますか? 天才的な作曲家で、建築家としての経験を生かし独創的な作品を作った作曲家です。 僕は彼の音楽が大好きです。聴いていると、時間軸が歪むし、宇宙もみえ...

 

照明演出を伴う電子音楽『ポリトープ』 / Polytope

英語ですが、細かく書いているサイトがあるので、紹介しておきます。

Yannis Xenakis’ Polytopes: Cosmogonies in Sound and Architecture
      The Polytope of Persepolis took place in the ruins of the Temple of Darius in the Iranian desert on August 26, 1971. The performance, which lasted for ove...

下の動画はPolytopeを実際に形にしている所を写したドキュメンタリーです。音声がないので、下のPolytopeの音声動画と見てもいいです。

 

1970年の大阪万博で発表された曲

『Hibiki Hana Ma』 日本語で 『響き 花 間』 です。8トラックテープのための作曲です。

その会場では、700個程度のスピーカーが床の下にバラバラに置かれ、その他に128個のスピーカーが空中に水平に吊り下げられていたそうです。

大阪万博と言ったら、太陽の塔!岡本太郎!

クセナキス!岡本太郎!!いやーとんでもない方々が当時の時代を作っていましたね!

両者ともに破壊的な力を持った芸術家!

中期

 

後期

 

クセナキスの音楽についての本

まだまだ、クセナキスのことは書くことがたくさんあるのですが、簡単に書けるような作曲家ではありません。もし、クセナキスの音楽に興味があったら以下の3点の本をおすすめします。

 

クセナキスは語る ―いつも移民として生きてきた―

この本は対談形式で書かれた本です。クセナキスの音楽語法(数式など)が書かれているわけではありませんが、質問者 フランソワ・ドゥラランド の鋭い質問(質問内容が本当に素晴らしい)に対して、クセナキスがその美学や、音楽(音)に対して答えています。

クセナキスの音楽に対する考えが本当に深い。。。僕自身疑問に思っていたことを質問者が質問してくれていて、感動の嵐でした。実際に数学を使うかは置いておいて、音楽に対する知見を深めるのにも役立ちます。まず、最初の一冊におすすめです。

 

形式化された音楽

この本はクセナキスの著書です。

曲としては、「ピトクラプタ」、「アホリプシス」、「アナロジーク A+B」、「決闘」、「STシリーズ」、「ヘルマ」の基になった数学理論が解説されています。

なので、数学の知識が無いと読んでも不明です。僕自身、数学は大嫌いだったのですが、その嫌い上回って、クセナキスの音楽の秘密が知りたくて、高校数学からまた勉強し直しました。

 

音楽と建築

この本もクセナキスの著書です。実際の音楽を例に数式を使って説明しています。アマゾンの説明に目次が載ってないので、目次と一部載せます。前に紹介した「形式化された音楽」を補完する内容になっています。この本でも数式などが多く出てくるので、数学に知識は必須です。

音楽と建築 目次

音楽と建築

音楽と建築