マイルスなどと仕事したギルエヴァンスについて書きました。
ギルエヴァンスは昔から大好きでレコード数枚持ってたのですが最近聴いてませんでした。それから10年の時が経ち改めて聴くともっと好きになる!
そういう音楽なんですよ!ギルエヴァンス!#jazz #ジャズ https://t.co/6Ri9S25SJI— Y-Bit Music (@ybitmusic) December 5, 2022
Gil Evans/ ギル・エヴァンスという音楽家を知っていますか?
ジャズ好き、マイルス・デイビス好きだったら知ってると思います。彼はピアニスト、編曲家(アレンジャー)でビッグバンド形式で数々の音楽を作、編曲しました。また『マイルスの知恵袋』とまで言われたくらいマイルスのアルバム制作に関わっています。『クールの誕生』、『マイルス・アヘッド』)、『ボーギー&ベス』、『スケッチ・オブ・スペイン』、『クワイエット・ナイト』。。。更には『ビッチェズ・ブリュー』でも録音に関わっていたそうです。名盤だらけです。。。
僕はギル・エヴァンスの作品が好きなので全部聴いてもらいたいのですが、入りとしてこのアルバム特に最高だよ!というものを5枚紹介します!
【ビッグバンドの魔術師】Gil Evans/ ギル・エヴァンスの名盤5枚を紹介
ギル・エヴァンスについて
書こうと思ったんですけどウィキ読んでもらったほうがいいかなと思いました。
ちなみに『マイルス・デイビス自叙伝』という本にもギル・エヴァンスの話は登場します。この本ジャズ好きだったらめちゃくちゃ面白い本なのでおすすめです。前後2巻あるんですが面白すぎて2日で読んでしまいました。
The Individualism of Gil Evans/ ギル・エヴァンスの個性と発展(1963)
さあさあ、ここからはギル・エヴァンスの名盤を紹介します。まず最初は僕が1番好きなアルバムです。ジャケも最高!聴きながら読んでもらえれば!
まず参加してる面子がヤバイです。ジャズ好きなら、ええ!この人も!!見たいな人ばっかり。ギル・エヴァンスの信頼度を物語ってます。
このアルバムが最初にレコードで発売された時は、
- “The Barbara Song”
- “Las Vegas Tango”
- “Flute Song/Hotel Me
- “El Toreador”
の4曲で32分程度のアルバムでしたがCDバージョンで5曲追加されました。CDバージョンに入ってる曲も『なぜ入れなかった!!』と言うくらい最高なので(おそらく予算の問題か当時2LPっていうのが無かったとかでしょう)買うならCDバージョンの方がいいです。ただUKで全曲収録の2LPバージョンも発売されましたが今は中古市場にちょっとあるだけです(僕は2LPバージョン持ってるけど 自慢)。曲はマイルスとの共同作曲の作品が2曲、ギル・エヴァンスの曲が3曲(下のカッコ内が作曲者名)となってます。
- “Time of the Barracudas” (Miles Davis, Gil Evans)
- “The Barbara Song” (Bertolt Brecht, Kurt Weill)
- “Las Vegas Tango” (Gil Evans)
- “Flute Song/Hotel Me (Miles Davis, Gil Evans)
- “El Toreador”(Gil Evans)
- “Proclamation”(Gil Evans)
- “Nothing Like You” (Bob Dorough, Fran Landesman)
- “Concorde” (John Lewis)
- “Spoonful” (Willie Dixon)
僕の中ではこのアルバムがギル・エヴァンスで1番好きなアルバムです。
Sketches of Spain/ スケッチ・オブ・スペイン(1960)
このアルバムはマイルス・デイヴィスのアルバムでギル・エヴァンスが編曲を担当しています。
冒頭の曲 アランフエス協奏曲(Concierto de Aranjuez)は、ホアキン・ロドリーゴが1939年に作曲したギター協奏曲、クラシック音楽が元になっています。
当時のマイルスの奥さん Frances Davis/ フランシス・デイヴィス(アルバム Someday my prince will come のカヴァーの女性)のすすめでフラメンコの公演に行き、その公演に触発されてギル・エヴァンスと共にアルバムの制作をはじめました。
[We] hadn’t intended to make a Spanish album. We were just going to do the Concierto de Aranjuez. A friend of Miles gave him the only album in existence with that piece. He brought it back to New York and I copied the music off the record because there was no score. By the time we did that, we began to listen to other folk music, music played in clubs in Spain… So we learned a lot from that and it ended up being a Spanish album. The Rodrigo, the melody is so beautiful. It’s such a strong song. I was so thrilled with that.
Sketches of Spain - Wikipedia私たちはスペインのアルバムを作るつもりはなかったんだ。アランフェスの協奏曲を演奏するつもりだったんだ。マイルスの友人が、その曲が収録された現存する唯一のアルバムを彼に渡したんだ。彼はそれをニューヨークに持ち帰り、私は楽譜がなかったので、レコードから楽譜をコピーした。そうしているうちに、他の民族音楽やスペインのクラブで演奏される音楽も聴くようになったんだ。
そこからいろいろと学んで、結果的にスペインのアルバムになったんだ。ロドリーゴはメロディがとても美しい。あんなに強い曲なのに。私はそれにとても感激したんだ。
こちらが原曲です。
ちなみにアランフェス協奏曲はギタリストのジム・ホールも演奏しています。このアルバムも名盤なので是非聴いてみてください。
Out of the Cool/ アウト・オブ・ザ・クール(1960)
このアルバムも名盤とよく引き合いに出されます。一曲目はギル・エヴァンスのピアノから大冒険が始まります。次々と楽器が代わってソロをとるんですがみんなかっこいい。。。オーケストラなので普通のジャズとは一線を画したサウンドになってます!ジャケもかっこいい。。。
Into the Hot/ イントゥ・ザ・ホット(1961)
上で紹介したアルバムが『アウト・オブ・ザ・クール』。
そしてこのアルバムが『イントゥ・ザ・ホット』。ということで2枚で双璧をなすアルバムになっています。といっても wikipedia を読むとこのアルバム自体はギル・エヴァンス自身関わってなく、実際のアルバムを制作したのはトランペッターのジョン・カリシ率いるジョン・カリシ・オーケストラとピアニスト セシル・テイラーのセシル・テイラー7重奏団が演奏しています。アルバムの曲順的には1,3,5曲目がジョン・カリシ・オーケストラ、2,4,6曲目がセシル・テイラー7重奏団という感じで交互になっています。
ジョン・カリシって誰?
セシル・テイラーはともかくジョン・カリシって誰?ってなりますよね。実はジョン・カリシは名曲『Israel』の作曲家です。ビル・エヴァンス(ギル・エヴァンスではない)の録音を聴いたことがあると思います。
なぜギル・エヴァンスはアルバム制作に関わっていないのか?
なぜこのアルバムでギル・エヴァンスが関わってないかと言うと、契約の関係で前回のアルバム『アウト・オブ・ザ・クール』に引き続きアルバムを録音しなくてはいけなかったのですが、新しいアルバム作りへ十分な素材がなかったためにこの二人に録音の機会を譲りました。何故この二人を選んだのかと言うと、
When asked why he chose Carisi and Taylor for this windfall, Evans, who’d admired their work as composers, said that was the only way he could hear their music.
なぜカリシとテイラーを選んだのかと尋ねられたエヴァンスは、彼らの作曲家としての仕事を賞賛しており、彼らの音楽を聴くにはそれしかなかったと答えた。
ということでエヴァンスはこの二人が作るアルバムを聴きたかったんですね 笑
このアルバム制作が1961年ということでジャズ界に限らず芸術大爆発の時代です。オーネット・コールマンのフリージャズの影響も見られセシル・テイラーも暴れまくってますがビッグバンドなのでフリーになりすぎずある程度まとまってます。暴れまくるフリージャズと強固なオーケストラの間縫うように演奏されたアルバムになってます。僕はこのアルバム大好きです。
GUITAR FORMS / ケニー・バレルの全貌(1965)
エヴァンスのオーケストラはアルバム9曲中5曲に参加しています。
このアルバム派手さはないんですが心に沁みるんですよ。下のMoon and Sandを聴きながら星空の下を歩いていた夜があるんですが、未だ忘れらない夜になってます。ぼかあ好きだなあ。。。
まとめ
いかがだったでしょうかギル・エヴァンス! ジャズが好きでもビッグバンドがあまり好きじゃないと言う人もいるかも知れませんね。僕はオーケストラなども好きなのでジャズのオーケストラと言えるビッグバンドも大好きです。最初聴いた感じが微妙でも、後から好きになったりしますので決め付けずに何度も聴いてみてください。
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