ジブリ映画 ナウシカの音楽で学ぶ作曲方法 | 人人振動

ジブリ映画 ナウシカの音楽で学ぶ作曲方法

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ナウシカ

スタジオ ジブリの風の谷のナウシカは、知らない日本人は居ないんじゃないかというくらい有名なアニメです。その映像とストーリー、音楽の見せる世界感は圧巻です。

今回はナウシカのオープニング曲を取り上げ、構成などを学び、自分の作曲に活かそうという記事です。

楽譜は『華麗なるピアニスト スタジオジブリ名曲集1』を参考にしました。参考曲はyoutubeで『風の谷のナウシカ オープニング』 と検索すればあると思います。

 

ジブリ映画 ナウシカの音楽で学ぶ作曲方法

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ナウシカの構成で作った曲

これからどのように作曲したか説明するわけですが、ちょっと長いので先に結果の曲を紹介してしまいましょう :-)聴きながらでも読んでください。

 

ナウシカの曲の構成

ここからの説明は僕の作った曲ではなく、『風の谷のナウシカ オープニング』の説明です。

しかし、この構成で作曲しました。下が曲の全体像になります。順番にその構造を見ていきましょう。

 

全体の構成

曲は前半と後半に分かれていて、前半が C – minor 、後半が F – minor となっています。

拍子は4/4です。

 

前半部分の解説

イントロ

最初にオーケストラによるイントロが入りますが、

そこは省略して、ピアノが入る部分から説明します。

 

最初の12小節(A-A’-B)

 

まず4小節のピアノのイントロから始まります(上の青い部分)。

A – メロディーは4小節区切りになります。コードはCm7です。

A’ – Aのメロディーが少し形を変えて繰り返されます。

B – ここから弦楽器が入ってきて、曲の中に風の感覚が入ってきました。

 

またコードが F となります。これは C メジャー の サブドミナント(4度)で、そこから借りてきた和音です。

メジャーのサブドミナントを使うことにより雰囲気が変わり、次に向けての期待感が高まります。実際にピアノでCm→Fm、Cm→F と弾いて聴き比べてみましょう。

これで4小節×3で12小節が前半部分になります。ここからさらに物語が膨らみます。

 

次の12小節(C-C’-C”)

 

 

対旋律が現れる

メロディーはピアノで、弦楽器が対旋律を奏でる構造です。

 

テンションノートが加わる

ピアノが先ほどと比べ、キラキラしたような音になったような印象を受けると思います。

これは、テンションと言ってそのコードに含まれていない音が入っているので、そのような印象を受けるのです。ピアノがメーヴェに乗るナウシカで、後に続く弦楽器は仲間の飛行機のような、または不吉な予兆のような感じを持ちます。あなたはどんな印象をもちますか?

テンションについてはこちら

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C’ の AbM7

トニックの Cm の構成音は C Eb G Bb 

♭6度になる AbM7 の構成音は Ab C Eb Gとなり、

二つを見比べると構成音が似ています。

Cm を形作るのに重要な C Eb Gが含まれているので、AbM7はトニックの代理として扱われています。

そして C” のDbM7はAbM7の四度でサブドミナントです。

 

これで、曲の前半が終わりました。聴いている人はすでにメーヴェで空を飛んでいるはずです(笑)そのまま次へ行って見ましょう。

 

後半部分の解説

基本的には前半の繰り返しとなりますが、CmからFmへ転調します。4度上に上がったことにより、さらに上空に飛翔したような気分です。

また、楽器もピアノがなくなり弦楽器のみになりました。僕は、ナウシカ自身が風になりさらにスピードが増した印象をうけます。

コード進行は転調しているだけで特に変わりませんが、メロディーの弦と、副旋律の弦が絡み合い、応答しあい、となっています。本当に風の谷のナウシカにぴったりの曲だと思います。

 

 

まとめ

ナウシカのオープニング曲のメロディーはもちろん綺麗ですが、とくに特別なメロディーだということはありません。

しかし、上記のように他の要素、和音、リズム、音色 を巧みに扱い作曲されているので、聴いていて面白いですね。みなさんもぜひ、構想を練ってからの作曲をおすすめします。