ギタリスト友人と一緒に音楽を作ってみようか。と話していて、じゃあとりあえず家で弾いててもあれだから、外でバスキング(路上で演奏すること)しながら考えますか、となりました。
場所は川の流れている公園のあるところで、ゆったりしているのですが、あまりにもゆったりしていて、誰もいないので上の写真の駅前に行きました。
そこは、なかなか汚い場所で、駅前のおっちゃんたちは平日の昼間から酒を煽っていました。
そこから物語は始まります。
ベルリンでの、ある日の路上演奏での出来事
音楽弾いてくれない?
音楽は普通だとつまらないので、電子音とアコギのサウンドでやろうとなり、僕はVolca FM(シンセサイザー)を持って行き、ポワーみたいな音を弾いたり、ミニマルなリズムを弾いていました。
しばらくすると、おばちゃんが僕たちに近寄ってきて、言いました。
『音楽弾いてくれない?』
僕は言いました。『これ音楽だよ』
おばちゃんは言いました。『これは音楽じゃないわ』
僕は言いました。『おばちゃんの耳は古すぎるんだよ』
おばちゃんはまた言いました。『これは音楽じゃないわ』
そんな不毛な押し問答がありましたが、決して悪くはなかったけど、確かに大した打ち合わせもしてなかったこともあり、公の場で人の嫌がる音楽をやるのもいかがなものか?と思い直し、バスキング(路上で演奏すること)ということで一応ベースを持ってきていたので、ジャズの曲を演奏すると、おとなしくなり、おばちゃんはいつの間にか消えていました。
しかし、そこで折れておばちゃんの言いなりになった気がして、ちょっと腑に落ちなかったです。
怪しいチョコをもらう
しかし、それからジャズの曲を弾いた瞬間に周りの受けがよくなり、僕たちも楽しくなって色々な曲を演奏していると、今度は酔っ払いのおじちゃんが僕たちに近づいてきました。
彼は70歳くらいの老人で体の至る所にタトゥーが入っていました。
『最高だぜお前たち!これやるよ!』
見てみると、それは大きな怪しい香りのするチョコでした。。。
。。。。。。
何がしたいのか分からないやつ
次に現れたのは、これまた薄汚い男で、彼は言いました。
『俺にもギター弾かせてよ!』
友人のギターはアコギだし良いギターなので断ると、今度は僕に
『ベース弾かせてよ!』
まあ、僕のはエレキだし、いいかと思って渡すと、彼はビックリするほど弾けずに、というか持ち方すら知らないレベルで、『ブべべバーン』とメチャクチャでかつ汚い音を出しながら、歌を歌い始めました。見かねて僕は、十分です。と言って彼からベースを取り返すと、彼は笑顔で言いました。
『俺ピアノは弾けるんだけどな』
僕は「こいつピアノも、絶対弾けないだろうな」と思いました。
そして僕たちは、
『次はもっと綺麗な所でやろう』
と話し、別れたのでした。
とまあ、こんなある1日の話。
おばちゃんには音楽じゃない発言をいただきましたが、電子音とギターのアドリブじゃないコンポジション。多分おもしろい音楽が出来るんじゃないかと思ってます。音楽が出来たらアップするので、聴いてください。ませ。