【減算方式 minilogue、microkorg】アナログシンセの構造、使い方を動画付きで分かりやすく解説 | ページ 2 | 人人振動

【減算方式 minilogue、microkorg】アナログシンセの構造、使い方を動画付きで分かりやすく解説

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【減算方式シンセの話②】フィルタ(VCF)を分かりやすく解説

フィルタでは音色を作り出します。

前のページに書いたように波形に応じて音色はありますが、味気ない電子音です。なのでこれをもっと加工します。

カットオフとレゾナンス

まず理解してもらいたいのが、カットオフとレゾナンスです。動画を見てみましょうか。

Cutoff frequency/ カットオフ・フリーケンシー

フリーケンシーというのは『周波数』のことで、このカットオフ・フリーケンシーはその名の通り、

ある周波数をカットするものです。

この場合は倍音をカットすることで音色が変わっています。

動画のはじめでカットオフを僕が動かしていますが、その動きに合わせて動いていますね。

 

その倍音についてはこちら

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resonance/ レゾナンス

レゾナンスは『共鳴(共振)』のことで、

カットオフ付近の信号を戻して共鳴させる役割を持っています。

動画だとレゾナンスの値を上げて(共鳴させて)、カットオフを動かしています。

レゾナンスは emphasis/ エンファンシス(強調)や、peak / ピーク などとも呼ばれます。

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フィルタの種類を見てみよう

そして、カットオフやレゾナンスをどう扱うか?をフィルタで選びます。

種類も多数あるのですが代表的なものを見ていきます。

上の写真は有名なsynth1というソフトシンセですが、赤枠がフィルタ全体で、緑枠がそれぞれのフィルタです。

このように沢山の種類のフィルタがついているものもありますが、ローパスフィルタのみの物もあります。

 

ローパス・フィルタ(LPF)

写真のLPになります。これは言葉のまま『Low を pass』させると言うことで、

低周波を通して高周波をなくすフィルタです。

 

 

これは減算方式のシンセには必ずついています。僕の持っている minilogue もこのローパス・フィルタのみがついています。

 

ローパスフィルタではフリーケンシーを右にいっぱいに回したら0

右にいっぱい回すと言うことは、カットしないと言うことなので、カットオフされてない状態です。

 

LP12とLP24の違い

Synth1にはローパスフィルタがLP12と24とあります。

これを切り替えるとカットオフの音を切る傾斜が変わります。

12より24の方(数字の大きい方)が傾斜が急になります。すると音色も変わりますね。

 

ハイパス・フィルタ(HPF)

これも言葉のまま『high を pass』させると言うことで、

高周波を通して低周波をなくすフィルタです。

 

ハイパスフィルタはローパスフィルタと逆

ハイパスフィルタではローパス・フィルタと逆になります。

というのは右にいっぱい回すと言うことは、ローをカットすると言うことなので、高音しか出なくなります。

 

バンド・パス・フィルタ(BPF)

画像1番下のフィルタで、

そのバンドだけパスさせるフィルタです。選んだ周波数だけ残すということです。

 

カットオフが周波数を決める

BPFではカットオフでそのパスさせる周波数帯域を決めます。

 

band width/ バンド・ワイズ と レゾナンス

BPFにはレゾナンスだけでなく、バンド・ワイズ(ウィズとも呼ばれる)というものも装備されています。

バンド・ワイズではパスさせた領域の広さを調整できます。

 

バンド・リジェクト・フィルタ

これはsynth1にもありませんが、BPFと逆の働きになります。

つまり選んだ帯域だけ排除するということです。

 

他のフィルタ

他にもノッチ・フィルタ、コム・フィルタ、オールパス・フィルタ、シェルビング・フィルタなどあります。

どのフィルタでもフリーケンシーアナライザーで、フィルタを動かしながらその周波数の動作を見れば理解できます。

 

キーボード・トラッキング/ キー・フォローを使おう

synth1 では『trk』というのがそうです。

 

見づらいですがminilogueでも赤枠の右下にノブがあります。

 

キーボード・トラッキングの役割

例えばローパスフィルタで高音を削った場合、中域を弾いている場合はいいのですが、高音を弾いた場合、基音の上の倍音がカットされていた場合、倍音は全部カットされてしまいます。

なので、弾く鍵盤の高さに応じてカットオフを自動で調整してくれる機能です。

 

そしてフィルタで作られた音はVCA、EGへ

このようにして作られた音は次の工程へ行きます。

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おすすめのシンセ本

この本ではシンセの歴史から色々なシンセの機能などを網羅しています。

実際にどう作るという本ではなく、その構造を理解して自分で出来るようになるという感じですね。

初心者向けではないですが、辞書代わりにでも持っていたら重宝しますよ!