楽器はそれぞれ独自の音色を持っています。
なぜ独自の音を持っているのかと言うと、それぞれ倍音の含まれ方が違うからです。
楽器の材質や奏法が違うのは音色が違う原因ですが、結果として音色が違うのは倍音の含まれ方が違うからです。
その倍音について説明します。
音色の秘密。倍音って何?分かりやすく説明
倍音とは何か?
絵では A の音をトランペットで吹いています。
そのAの音は『基音』と書いてある赤枠です。
倍音とは、その右側の白枠の実際出している音より高い音のことです。
音色は波形の形、波形は倍音の含まれ方
なぜ倍音が出るのかは置いておいて、楽器の話。
この倍音の含まれ方が違うと音色が変わります。緑の線の『waveform/ 波形』というのはその倍音の含まれ方を単純にした図形のようなものです。
シンセサイザーの電子音で見る倍音
シンセサイザーではいくつかの波形を使い音を作ります。
実際にどういうことか見てみましょう。
この電子音では、音作りの元となる音波を使っているので、波形は綺麗ですし、倍音は綺麗に並んでいますが、実際にシンセサイザーではいくつかの音波を組みあせて音を作る為もっと複雑な倍音になります。
楽器の音も純音で作れる
楽器の音と電子音、両方見てもらいました。電子音で聴いた最初の音『sine weve/正弦波』のことを純音と言いますが、この音は自然界には存在しません。この音はチューナーや音叉の音です。
しかし、実は楽器の音も『sine weve/正弦波』に分解できます。逆に『sine weve/正弦波』から楽器の音を再現できます。
でも理論上は作れるのですが、実際の楽器は綺麗に整数倍の倍音が鳴っているわけではないそうで、楽器の一瞬の音色を再現できても、実際の楽器のように常に変化し続ける倍音をサイン波で作るのは難しいそうです。
逆に言えば、楽器ではシンセサイザーの音は再現できないわけですから、どちらにも良いところがあるわけです。
この図形は一体どうやって見ているのか?
これは音にフーリエ変換というものをしています。興味があればこちらの記事を
倍音が出る理由
でもなんで倍音て出るの?ということを説明します。
楽器を弾くと下の図のような振動が生まれます。全部同時にです。1番上の音が『基本波』というもので、私たちが楽器で弾く音です。
その下の振動は『基本波』の2倍、3倍、4倍、5倍。。。と整数でなっています。
この細かな振動が倍音の正体です。
弦楽器の倍音
弦楽器を弾いた場合、弦は細かな振動を起こします。それを上手に説明している動画があったので載せときます。英語なのでその僕が言いたい所から始めてますが、英語が分かれば最初から見たらバッチリですね。
この動画も面白くてiphoneで撮った映像です。この動きは目で見ても分からないですが、ビデオカメラは映画みたいにコマ送りなので、その様子が見れます。
管楽器の倍音
じゃあ、弦のない管楽器は何で?と思うでしょうが、
管楽器は息を吹き入れた振動で音が鳴りますが、その振動が楽器の中で倍音を生みます。
奏者によって音色が変わる理由
同じピアノでも奏者によって音色が変わります。
これは、弾き方で弦の震え方が変わる → 倍音も変化 → 音色が変わる。ということです。
倍音を使った音楽など
モンゴルの歌唱法『ホーミー』
有名な倍音を使った歌唱法です。僕も実は練習していました 笑 上手くないですけど。。。
この動画ではなんと6種類の発声法で紹介しています。(このページでは開けないのでリンクからYoutubeで見てください)
また、練習はじめよっかな。
彼女もすごい。すごくヨーロッパ。
ヨガの『OM』で聴こえる倍音
もし、あなたがヨガのコースを受けたことがあれば、最初の『OM』の合唱をやったことはありませんか?その際に大人数でやった際に『ビュヨーーーー!』という人の声とは違う音の波を聴いた事はありませんか?
これは倍音が複雑に共鳴した音です。
もし聴いた事がなかったら10人くらいでみんな適当に『オーーー』と歌ってみましょう。その際は音程を合わせると意味がないので思うがままに自分の歌いたい音程で歌ってください。そのうち『ビュヨーーーー!』っと変な音が出ます。
スペクトル楽派
スペクトル楽派は西洋クラシック音楽の流れの中の音楽で、倍音に焦点を合わせた音楽です。
まとめ
倍音や波形は非常に深くて、あらゆる音に繋がっています。
もし『音』にもっと興味あったらこの本をおすすめします。例えば、音の心理、音で空中浮揚、VR、声の話。。。どれをとっても面白く、しかも分かりやすいです。音に興味があったら超おすすめです!