夢の中にいるようなふわふわした雰囲気の曲を作りたいんだけど、上手くいかない。
そんな不思議な雰囲気を出せるホールトーンスケールというものがあるんです。是非実際に使ってその音を聴いてみましょう。
他のスケールについてはこちら
不思議な雰囲気の音楽をつくる ホールトーンスケールについて
ホールトーンスケールを使った曲例 ドビュッシー – Voiles
実際にホールトーンスケールを使った曲を聴いてみましょう。
この曲はドビュッシーの前奏曲集第1巻の第2曲になります。フワフワした感じがしませんか?
ホールトーンスケールの構成
上が ホールトーンスケール(whole tone scale)です。
作曲家の Debussy が最初に用いたスケールで、特徴は音の並びが全て全音なんです。
6個の音からなるスケール
ホールトーンスケールを見てみると、オクターブの中に納まる音符は6個だけ、そして4,5,6度の音がシャープになります。
また、このスケールは移調しようとすると、並びが全て全音なのでもう一種類しかありません。
ホールトーンの意味
ホールと言うのは英語の『Whole』で全部とかの意味があります。
楽器をみると、半音と全音がありますね?並びが全音で出来てるのでホールトーンです。
なぜ、不思議な感覚がするのか
音楽が調性の中で作曲された場合、メロディーの中のそれぞれの音に向かう方向や特性があります。
特に4度(ファ)、5度(ソ)は重要な音になりますが、ホールトーンスケールではどちらも半音あがってるので、フワフワしてしまうんです。
楽器で C から弾いてみると分りますが、F♯ からふわっとした感じがするのではないでしょうか。
ホールトーンスケール上でコード進行を作る
コード進行でもサブドミナント(4度)、ドミナント(5度)とありますが、これをホールトーンスケールで作ると、どこを弾いても augmented triad (増三和音)になります。
このコードで4度、5度と弾いてみたら分ると思いますが、ダイアトニックコードようなはっきりした進行は感じられないのではないでしょうか。
ダイアトニックスケールには半音が含まれていて、その音が求心力を作るわけですが、ホールトーンスケールは全て全音なのでその求心力が散ってしまうため、進行が薄くなってしまうんです(それでも、5度を弾いたらドミナントらしさはあります)。
ホールトーンスケールに変えてみよう
自分の曲や、お気に入りの曲をホールトーンスケールに変えて遊んでみましょう。
例えばキラキラ星やドレミの歌をホールトーンスケールで弾いて見ましょう聴きなれているだけに、凄く違和感を感じるのではないでしょうか。
ジャズのアドリブで使ってみる
ジャズのソロなんかでメロディーをアウトさせたかったら、ホールトーンスケールでメロディー弾いたら、はみでたサウンドになります。
普通はドミナント7の場所で使われたりしますが、ソロの時にメロディー全体をホールトーンスケールで弾いたら面白いですね。
まとめ
ということで、ホールトーンスケールの紹介でした。
スケールを使うと簡単に曲の雰囲気を変えられるのでいいですよ。色々試してみてください。
では良い音楽ライフを♪