ここではイコライザーの機能、使い方ついて書いてます。
・イコライザーの簡単な説明
・音域について知ろう
・音域ごとにイコライズして音色を作ろう
楽器別のイコライジングはこちらで書いてます。
音域を操作する『イコライザー』の使い方が分かるようになる話
アナライザーを使おう
実際にどの音域が出ているのかは聴くだけじゃなく、目で確認することも大切です。上の写真はWEVESですが、iZotope もいいですよ。
モニタースピーカーを使おう
どんなにイコライザーの使い方を知っていても、聴いている音が本当の音じゃなかったら、意味が無いです。モニタースピーカーは最低限用意しましょう。
イコライザーの5つの種類
最初にイコライザーについて説明します。
イコライザーで音域を操る方法のタイプは主に5種類あります。
ピーキングタイプ(バンドパスフィルター)
バンドパスフィルターはある音域だけを持ち上げたり削ったりします。
ローカットフィルター(ハイパス、HPF)
ローカットフィルターはそれより下の音域削ります。逆に言えばハイを通すので、ハイパスになります。
ハイカットフィルター(ローパス、LPF)
ハイカットフィルターはそれより上の音域削ります。逆に言えばローを通すので、ローパスになります。ローカットと逆ですね。
ローシェルフ(シェルビング)
ローシェルビングは、それより下の音域を持ち上げたり、削ったりします。その形が棚みたいなのでシェルフ(shelf 英)と言います。
ハイシェルフ(シェルビング)
ハイシェルビングは、それより上の音域を持ち上げたり、削ったりします。これもローシェルビングと逆なだけです。
イコライザーの Q で幅を決めよう
それと『Q』というものがあって、Q の数値をいじるとイコライズするときの『幅』を決められます。これは実際にイコライザーのQを動かせばイコライザーの中の絵が動くので分かります。
音域を分けて考えよう
次に音域についても、知る必要性があります。
これを考えてないとなーんとなくになってしまうので。。。
音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!では音域を6つに分けてます。
- 超低域(~60Hz未満)
- 低域(60Hz~100Hz)
- 中低域(100Hz~300Hz)
- 中域(300Hz~2kHz)
- 中高域(2kHz~8kHz)
- 高域(8kHz~12kHz)
スグに使えるEQレシピという本では
低域 100Hz付近
中域 1kHz付近
高域 10kHz付近
としています。
この中域の1kHz付近はピアノでいうと真ん中のドから2オクターブ上のCになります。僕の感覚からいうと高音域な気がしますが、それはなんとなく真ん中のCを中域だと思ってるからでしょうね。
そしてDAWではじめる自宅マスタリングという本では、
低域 20 Hz ~
中域 120 Hz ~
高域 5,000 Hz ~ 20,000Hz
と説明してます。みんな違う。。。けど、音ってそんなものだと思います。厳格に決めようがないですからね。
ピアノで音域を見てみよう
ピアノの鍵盤で音域を確認してみると、もっとイメージが湧くかも知れないです。
Wikipediaで見れます。
音域ごとにイコライザーをかけてみよう
ここからやっと音域ごとのイコライジングをはじめます。
ここで先に結論を言うと、イコライジングでやるのはこれらです。
★必要な音域は上げ、不要な音域を削り、それぞれの楽器がそれぞれの場所で良い音を出すようにする。
★音域が被るとボンヤリするのでミックスを意識し周波数を住み分ける。
★音色を変える。
とりあえずピーキングタイプで音の変化を聴こう
これからイコライザーをいじっていきますが、その際は上で紹介した『ピーキングタイプ』でQを絞り、持ち上げてみましょう。それから帯域を変えてみるとより音の変化が聴けます。
それと、音は全部同時に再生してイコライザーを使うのではなく、一個一個別々にイコライジングしていきます。
でも、単体で良い音でも、アンサンブルで鳴らすと音がぶつかることもあります。なので音を一緒に聴いて調整することも大切です。
では行ってみましょう!
超低域のイコライジング(~60Hz未満)
ベースの最低音のEは41.20Hzになります。5弦だったらBが最低音で30.86Hzです。
ここはキックなどに含まれる『体で感じる低音』です。この領域がクラブなどのでかいスピーカーで聴いた時にボコーン!とくる音域ですね。
この音域は『聴こえないので削ってしまおう』とかっていったりしますが、削りません。ここを削ると体感できる重低音がなくなってしまいます。
また、この音域は体に来る低音なので、音量を大きくしないと体感できません。ここはアナライザーを見ながらデカイ音で聴いてみましょう(音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!の中で、スピーカーの下のほうを触るとこの超低音を感じられる。というテクも載ってました)。
実際にピーキングタイプ(バンドパスフィルター)イコライザーで持ち上げて、どの音域が1番響くか聴いてみましょう。
低域のイコライジング(60Hz~100Hz)
ピアノで言うと真ん中のCから2オクターブ下のCが65.40639Hzなので、そこからそのオクターブ内のG(97.99886Hz)までです。
ここらへんの低域は『耳に聴こえる低音』になります。この音域のどこを持ち上げるかで、キックの音が変わります。キックを聴きながらイコライザーを動かしてみましょう。
ベースの音域でもありますね。上の写真誰だか知ってますか?ジャコ先輩です。僕はベースも弾くので大好きです。
中低域のイコライジング(100Hz~300Hz)
ピアノの真ん中のCの周波数が、261.6256Hz になります。
ピアノでコードを弾く場合大体この辺ですよね。
この音域は色々な楽器がダブりやすいので、ここをしっかりさせると綺麗なミックスになります。
倍音で音色は変わる
次の中域の話に行く前に『倍音』について少し書きます。
世の中の音は、サイン波という電子音以外全て倍音を持っています。その倍音の含まれ方で色々な音色が出ます。ということはこの倍音を操作すれば音色が変わると言うことです。今いじってるイコライザーは正にそれが出来ます。
ベースの1番下のEの周波数は41.20Hzと書きましたが、その周波数だけが出てるわけではなく、その上に色々な倍音が出てるんですね。なので、ベースやキックなどの低音部の音でも高音域は出ているので、そこをいじると音色が変わります。
中域のイコライジング(300Hz~2kHz)
楽器のチューニングでAの音を440Hzに合わせますね。上は真ん中のCから3オクターブ上が、2093.005Hzになります。
ここはメロディーやコード楽器などが弾かれる音域です。
ポップ音楽だと音楽の要になる場所ですね。
中高域のイコライジング(2kHz~8kHz)
上は真ん中のCから3オクターブ上2093.005Hzからで、ピアノだと最高音のCが4186.009Hzです。
この音域で重要なのは、『楽器に質感が出る』ということです。
実際にピーキングで持ち上げてスネアや、ボーカル、ギターの音の変化を聴いてみましょう。ベースは低音だから関係ないかと思いきや、ベースでもピック弾きの音や、スラップ奏法のバキバキの音はこの音域です。『ドンシャリ』と言われるサウンドは低音と高音域を持ち上げたイコライジングです。
キックなどでも、この領域を上げるとアタック音が強調されたりなんかもします。色んな楽器を聴きながらどんな効果があるのかじっくり聴いてみましょう。
2kHz~3kHz
この音域のボーカルを持ち上げると、日本語の母音の響きが豊かになります。
3kHz~4kHz
この音域のボーカルを持ち上げると、子音が強調されます。
4kHz~5kHz
この音域はスネアのスナッピーとか、ギターを弾く時のザラっとした音、ギターの煌びやかさ。そんな音の世界です。
しっかり音色をコントロールしてジミヘンに怒られないようにしましょう。
高域のイコライジング(8kHz~12kHz)
この音域を持ち上げると華やかになります。
まとめ
ということで、イコライザーの使い方をまとめました。イコライジングにもミックスにも、というか音楽に正解はありません。
音楽のジャンルにより音の出し方も違うので、『音域』に注意しながら音楽を聴くとまた違った世界が見えます。色々な音楽を聴くことが大切だし、自分が欲しいと思った音を想像するのも大切です。
沢山音楽を聴きましょう。
おすすめの音楽はこちらで紹介してます。
この本は分かりやすいのでおすすめです。他にもコンプの使い方、ミックスの方法なども載っています。
この本は楽器別のEQの設定が名の通りレシピとして、具体的な数字で載っています。
例えばジャズ風キックや、ドラムマシンに合わせたセッティング、ベースに輪郭を綺麗に出すにはなど。
もうイコライザーの知識があると思いますので、この本をもとに色々試してみましょう!おすすめです。