Hip Hop!!
ゴチャゴチャ言わずに、言葉とリズムで作り出すアート、原始的で好きです。
後ろで流れるトラック、ビートは曲の世界観を作り出す非常に重要な部分です。
作り方は自由ですが、ここでは一つの有名な作り方に サンプリング と言う、人が作った音楽を切った張ったしてビートを作る方法を紹介してみましょう。
他のヒップホップトラックの記事も、もし良かったら読んでください。
MPC2000を使ってサンプリングで作る ヒップホップトラック、ビート、ブレークビーツ
サンプリングとは
サンプリングというのは、ある楽曲の一部を切り取り、新しいビートを作る手法で、様々な名ビートが制作されてきました。
例えばこの曲。
この曲は以下の楽曲を組み合わせ作られています。
3:45 〜 4:05 の部分
ラップをしているメインのビートの原曲は遅いですね。これはMPCに取り込んでから、ピッチを上げているわけです。
パソコンでも出来ますが、パソコンでピッチを上げるのと、MPCでピッチを上げるのでは、MPCのフィルターがかかるのでまったく違った音になります。
名サンプリングマシンMPC2000
MPC2000という名機がありまして、ヒップホップクラシックと言われる作品は大体これで作られています。
とりあえずこの動画を紹介します。これで使われているのがMPC2000です。
MPCでのビートメイク
どう使うかと言うと、レコードなどの再生機からでた音を、MPCに取り込み(録音)し、それをMPCの中で編集します。
この波形をキックドラムやスネアの所だけ取り出したり、またはドラム1小節まるまる切り取ったりし、それをMPCの右にあるパッドに振り分けドラムマシンとして使えるわけです。シーケンサーを内臓しているので一小節分でも叩けば、あとは勝手にMPCがループしてくれます。
サンプリングの利点
サンプリングの最大の利点は完成した音をパクれるっていうことです。
というのは、キック一つの音でも分厚いキックを出すのは凄く大変なんですね。
アナログのドラムマシン買ってみたり、生ドラム録音したり(また録音が大変)、その音にコンプかけたり。。
でも、サンプリングしちゃえばその手の込んだ音が手に入るわけです。
フレーズを使った例
2曲僕がMPC2000で作ったBeatsを聴いてみましょう。
この2曲はJazzのレコードのフレーズをサンプリングして、それにドラムトラックをのっけています。これは、フレーズをそのまま使ってます。もうちょっと、フレーズを壊して作ったビーツは後で紹介します。
VSTプラグイン、ソフトサンプラーをMPCの替わりに
今時はパソコンがサンプラーになります。
音楽制作ソフト Cubase であればというソフトシンセ(パソコンの中の仮想の機材)が付属してますので、パソコンに音源をとりこんで、切って貼る、それだけです。
画像がその Groove Agent One で、右にパッドがあってMPCに似ています。この仮想のパッドを、midiコントローラーを使って、実際に叩くわけです。
CUBASEじゃなくてもVSTプラグインのソフトサンプラーをDAWに入れれば、MIDIキーボードやMIDIパッドを使ってMPCのように操作できます。
他にもソフトサンプラーが出ていて、無料で手に入るので試しに使ってみてもいいですね。
ソフトサンプラーだと、編集もパソコンの大画面でできるし簡単です。結局MPC2000もデジタルサンプリングなので、パソコンと変わりません。どころか、MPCはサンプリングレート 44.1kHz なので 96kHz でできるパソコンのほうが優れていますね。
現行のMPC、 MPC Live
その他、今はMPC X や MPC Live なんていう、パソコンに依存しないスタンドアローンのモデルも登場しました。
MPC Liveは友人が持っていて、操作風景見てましたが、あれがあればドラムマシンだのなんだのはいらないですね。
液晶にタッチパネルが付いていて、MPC2000に比べ短い時間で、相当簡単に、手の込んだ音作りができます。正直びびりました。
MPC Liveはスタンドアローン、バッテリー駆動、大容量ストレージ、パワー、ポータビリティを備えた最新モデルです。
ちなみにMPC以外でも色々なメーカーからハードサンプラーが発売されています。サンプラーは凄く創造的な機材なので一台は持っていたら面白いと思います。下の記事でおすすめのサンプラーを紹介してます。
MPC2000は古い!?
MPC2000はデータの保存がフロッピーです。なんと容量1.44MB!キック3っつ、スネア3っつでもう容量いっぱいっていうような容量です。改造してSDカードに保存するようにもできるますが手間ですし、結構改造代が高いです。
しかし、そんな中かたくなに MPC2000 使い続けるレジェンドトラックメーカーは多数です。
MPC2000を通すと音が太くなるという都市伝説のせいだったり(僕は太くなってるというかザラっとすると思う)、あとはやはりポリシーでしょうね。見た目もクールですし。僕が使うときはセーブできないぞ(背水の陣)っていう緊張感をもって取り掛かるのが、普段と違って面白いです。
僕個人的には、あなたにMPC2000に特別な思い入れがないのなら、MPC Live の購入をすすめます。
作業効率、音の作りこみが格段に上がります。
どちらにせよ、いくらパソコンが優れようとできないこと。。。それは、
『間違え』とか、アナログの『ヨレ』です。それが、いまやテクニックになっているので紹介します。
MPCでなくてもRoland SP-404 という機材も有名です。
ブレークビーツの音を聴くと、良くSP-404を使って作ったであろうビートに出会います。
野生的な機材なのでこちらもおすすめします。
ヒップホップ以外の音楽を聴こう
話は脱線しますが、ヒップホップ以外の音楽を聴くのってまた大事だと思うんですよね。最近のヒップホップってよほど個性的な人じゃない限り大体一緒じゃないですか?
だから、視野を広げることが自分の音楽をつくるのに重要なことだと思います。
たとえば、レゲエ、ダブとかは同じブラックミュージックで似ている部分もあるのでいいと思います!
あと2019年で洋楽ヒップホップのかっこいいアルバムをここで紹介してます。
MPCのサンプリングテクニック
サンプリングはパクるだけではなく、想像力しだいで無限の可能性のある手法です。
これから、hiphopをこよなく愛するヘッズたちが開発した数々のテクニックを紹介します。
秘儀 レコード早回し
この技は音を取り入れる際に、レコードを手で早回しして録音し、それを後ほどMPCでピッチを元に戻すと言う、荒業です。そうすることにより、ローファイな音になります、かつ手で回すことによる不安定感すらグルーヴの一因にしてしまうという正にhiphopな技ですね。
秘伝 カセット録音
これはMPCに取り入れた音を、MPCでピッチを上げてカセットに録音し、さらに戻すという技です。
前にカセットをマスタリングに使った記事あるので、興味があれば読んでください。
必殺 フレーズバラバラ
取り込んだフレーズを、バラバラに切ってパッドに配置して叩いて遊ぶという、まあこれが一番正当な遊び方かなと思います。
ちなみに、几帳面にキックの始まりぴったりで切ったりするんじゃなくて、4拍子だったら、1拍半、もしくは適当なところで切ったりして、遊ぶと思いがけないリズムができますよ。
下のビーツはこの手法で作っています。
番外編
トラックメイキングのはなしではないですが、僕はパソコン上で音楽を作った場合マスタリング前に2mixを
MPC2000かカセットレコーダーに録音しています。
他の機材を通すと音質は劣化しますが、アナログ感がでます。たまに無意味。
著作権の話
それと大事な点、サンプリングとは人の作った曲の一部を使うわけですが、これには著作権の問題が生まれます。リットーミュージックさんの記事で判りやすく書いてあるので、是非読んでください。
まとめ
サンプラーは想像力次第でなんとでもなります。あまり方法に縛られずこれからのヒップホップは俺から始まる。。。的なノリで適当に作って行きましょう!
では、みなさん良いヒップホップライフを!