ためになった作曲、音楽の本をおすすめ!
ここでは僕が読んで参考になった本を紹介します。
ポップス、クラシック、現代音楽などの作曲方法、民族音楽、DTMの音のミキシングの方法などです。
Pop music編
リハーモナイズで磨くジャンル別コード・アレンジ術
作曲というか、アレンジ、編曲の本です。
ジャズ、ボサノバ、ロック、R&B、ファンク、フォーク、J-pop と色々なジャンルの特徴をまとめ、詳しく解説されています。
ある程度、音楽知識がないと難しく感じられると思いますが、実践的で面白いです。
自分の曲をこの本の通りに編曲したらドンドン上達します。
実践!作曲・アレンジに活かすための モード作曲法
ポップミュージックを作曲する際の最も一般的な方法がコードから作曲する方法です。
しかし、この本ではモードという『コードに囚われずスケールを中心に作曲する方法』を解説しています。アマゾンの書評では分かりづらいなど書いてありますが(実際多少分かりづらい部分もある 笑)、ある程度作曲を勉強した方ならば理解できます。
なので、初心者向けではないですが、おすすめできる本です。
JAZZ 曲集編
ザプロフェッショナル スタンダードジャズハンドブック
Jazz のスタンダードが掲載されている本です。
スタンダードハンドブックという割りに、Jam sessionで良くやる曲が入っていないのですが、この本の良いところは単純なコード進行で書かれているところです。
ジャズジャムセッションと言うと、ビバップのようにコードからアドリブをとるスタイルになりますが、その際ミュージシャンがコードを色々変化させて、ソロをとります。
有名なジャズスタンダードを集めた曲集 The Real Book などは、すでに複雑な進行が書き込まれていて自分で考える隙がありません。
この本は曲の原型といえる、簡単なコード進行のみ書かれているので、アドリブの練習にもなるし、アナライズすることで作曲の勉強にもなります。
この本と The Real Book のコード進行を比べてみるのも面白いですね。
The Real Book
上でも触れている Jazz Standard を集めた楽譜です。
その量、400曲!ほぼ、すべての楽曲を網羅してるのではないでしょうか?
以前は、著作権の関係で違法な本だったらしいですが、契約が成立し正規販売になりました。
ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)
この本も曲集で、ジャズベーシスト 納浩一さん監修の本です。
世界のトップジャズミュージシャンに数えられる納浩一さんが監修した本なら間違いないですね!
何より良いのがCD付きでその曲の雰囲気を味わえます。
今、大分売れている本です。
JAZZ理論編
どの本もしっかりやれば勉強になります。買った本とじっくり付き合いましょう。
しかし、ジャズのアドリブの考え方は様々です。
出来れば違った観点から見ている本を何冊か持っておいて、グルグル順番に勉強すれば飽きずに、しかもお互いの本の内容がくっついて面白いです。
ここでは、違った観点の本を紹介します。
ドレミで覚えるジャズ・アドリブの法則
基本から説明されているので、ジャズ初心者の方におすすめしたい本です。
この本の特徴はタイトルにあるように『ドレミ』を使って説明しています。
つまり固定ドで考えられているわけです。
ジャズのアドリブは様々な捕らえ方があるので、何が正しいとかはなく、
この本に沿って学べば間違いなく勉強になります。
マークレヴィン ザ・ジャズ・セオリー
世界的に売れている本です。
本格的にジャズを勉強したい方におすすめします。
すべてのジャズ理論が網羅されています。
値段は高いですが一生モノの本です。
ツーファイブジャズライン
Ⅱ-Ⅴ はジャズの最も重要な要素の一つです。
そんなⅡ-Ⅴ-Ⅰ ジャズラインを様々なアプローチで解説した本です。最初から理論を勉強しまくって頭でっかちになるより、この本で2-5-1フレーズを弾きまくった方が上達は間違いなく早いです。
おすすめです!
すごいジャズには理由(ワケ)がある──音楽学者とジャズ・ピアニストの対話
ビル・エヴァンズ〈マイ・ロマンス〉
マイルズ・デイヴィス〈マイルストーンズ〉
ジョン・コルトレーン『至上の愛』
チャーリー・パーカー〈ヤードバード組曲〉など
6人のジャズ・ジャイアントが何を考えてプレイしていたのかを説明しています。
ビル・エヴァンズとかだとよくハーモニーの話は出ますが、そのリズムなどについてなど凄く面白い!
●南博さん(ジャズ・ピアニスト)──
「この本が、私の中学生時代、いわんや高校時代に読めていたら、
私と音楽そのものとの関わり合いは、
ジャンルを超えてさらに豊かになっていたことでしょう。
否、そのジャンルという無意味な言葉を取り去るための処方箋ともなっていたはずです。
ですから、この本の読後感想を正直に述べるならば、
やっと、やっと、やっと、今さら、今さら、今さら、
なぜもっと早くに……この思いのみに尽きます。
ジャズ、クラシック、ともに語源は曖昧です。
分け隔ての分岐点は、あなたの感性の中にあるのです。」
Repository of Scales and Melodic Patterns
『Repository of Scales and Melodic Patterns/スケールとメロディーパターンの宝庫』はアジアからアフリカ、古今東西のスケールが載っている他、スケールを使った発展方法、ハーモニーについてなども載っています。ジャズに収まらず、ストラヴィンスキーや、スクリャービンのハーモニーも載っている263ページに渡る凄い本です。詳細は別記事で。

DTM編
今の時代、パソコンがあればどんな音楽でも作れてしまいます。
しかし、いい音を出そうとすると、作曲技法並みに色々勉強しなくてはなりません。
どんなに良い曲でも、しっかり音が鳴っていないと台無しになってしまいます。僕も作り始めは、何も考えずにやっていましたが、今改めてその頃の曲を聴くとひどいですね。。。
無駄な時間を使って欲しくないので、作りながら本を読んで勉強していきましょう。
ミックスやマスタリングには(もちろん作曲も)、正解はありませんが、ひどいミックス、ひどい作曲はあります。最初に基礎だけ学んでしまいましょう!
おすすめの本はこちらで紹介しています。

シンセサイザー関連
シンセは最初面倒に感じますが、意外に構造は理解するのは簡単です。
ただ、ネットで読むと素人がまとめてたりするので、やたら複雑に書かれてたりします(これは、僕もシンセについて書いてるので、複雑な気分ですが。。。僕の場合出来る限りわかりやすく最初の入り口くらいまで書いてます)。

シンセサイザーがわかる本 〜予備知識から歴史、方式、音の作り方まで
この本ですが、凄く分かりやすく色々な例を含めて書かれています。
内容も非常に深く素晴らしいですね。
でも、そこら辺の知識が全くない方には薦められません。ある程度電子音楽を作ったことがあって、さらに知識を深めたい人向けの本です。
超おすすめです!
FMシンセのあたらしいトリセツ
FMシンセはその独特の音色から変わらず人気のシンセです。
でも使い方が複雑。。。狙った音が出せん。。。と言う方も多いと思います。その構造を理解してFMシンセを使いこなしましょう!
僕もFMシンセの構造など書いていますが、実際の音作りまでは書いてないので、本で読むことをお勧めします。

クラシック編
作曲の基礎技法 – シェーンベルク
12音技法で有名な作曲家、Arnold schoenberg の著書です。
クラシックの作曲のための基礎技法が載っています。モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンなどの譜例をもとに解説されています。
専門用語も多いので、ある程度音楽理論がわからないと読み進めるのは難しいと思いますが、内容に富んだ本です。が、あまり面白くはありません 笑
ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏
ドビュッシーがペンネームで書いた本でこれも面白いです。
シューマン 音楽と音楽家
シューマンの書いた音楽評論の本です。
ベートーベン、リスト、メンデルスゾーン、ベルリオーズといった今でも知られる大作曲家が出てきます。
おすすめです。
視唱の練習 和声感の育成をかねて
この本は音符から楽器を使わずに歌うための練習の本です。
コード(和声)が番号で振られていて、それを弾きながら実際歌うというものです。
ですので、ある程度の音楽知識が必要になります。
ですが、長年売れ続けている良書です。
西洋音楽史―「クラシック」の黄昏
その名の通り西洋音楽の歴史をザーッと追っていく本です。
さすがに細部までは無理ですが、けっして浅く追っていくわけではなく、時代時代の音楽の重要な点を、時代背景なども含めて書いています。レビューでも高評価ですが、確かに!って本です。
西洋音楽の歴史はこの本などを参考にしながら、僕もまとめてみました。

現代音楽の本
Technique of my musical language – Olivier Messiaen
音楽言語の技法』で、メシアンの作曲技法が書かれています。
邦題は『現代音楽の作曲法は自由ですが、自分の語法(作曲法)を発明し作曲しなくてはなりません。
そのメシアンの作曲の方法論が書かれた本です。なんと書いた年齢36歳!!どんだけ天才なんだよ 😮
日本語訳は長い間絶版でしたが、改めて再版されました!わーい。(僕は英語版買っちゃったけど)
現代音楽を作曲したいんだ!という人は避けて通れない本です。
現代音楽を考える
ブーレーズの著書です。下で序章についてだけ書いています。

線の音楽 – 近藤譲
日本を代表する作曲家、近藤譲さんの著書です。
「音」に対して深い考察で書かれた本で、深すぎて疲れてきます 笑
哲学書に近いですね。
線の音楽と名づけられた自身の作曲技法についても書かれています。
はじめての<脱>音楽 やさしい現代音楽の作曲法
木石 岳さん編著、川島 素晴さん監修の本で現代音楽の重要な系譜、曲について非常にわかりやすく説明しています。
木石 岳さんは『macaroom』というバンドをやっていまして、このバンドも最高に良いです。ジョン・ケージの音楽を変えずにポップに出来るのか?というコンセプトのアルバムや、エレクトロニカを発表したりしています。
川島 素晴さんは現代音楽の作曲家で、日本の現代音楽を牽引する作曲家の1人です。
現代音楽の本は、ほぼ哲学書に近いような事が多いのですが、この本はそれぞれの曲の要点を抑えて、かつ分かりやすく説明しています。そして浅くない。
本当におすすめできる本です!
シュトックハウゼンのすべて
巨人シュトックハウゼンの作品を扱った本です。
僕も何度か作品のアナライズを試みましたが、挫折しましたね 笑
日本語でこのような本が出版されたことは、本当にうれしいです。
今後ずっと重版され続けるんじゃないかなと思う素晴らしい本。
下の三冊も現代音楽の本です。
個別に記事を書いているので読んでみて下さい。



Thesaurus of Scales and Melodic Patterns
幾何学的なメロディーのアイデアを集めた本です。

民族音楽編
世界には様々な音楽があります。
その中で私たちの親しんでいる音楽はヨーロッパの音楽で、これは音楽の一分野でしかありません。
しかし、現在の現代音楽においては、インターネットやテクノロジーの発達により、その垣根を越えた作曲がなされていて、地球と言う民族音楽が作曲されています。
どちらにせよ、民族音楽がなんなのか知らなければ、それを応用することは出来ません。
音楽の根源にあるもの
著者の小泉文夫さんは音楽家ではないのですが、世界の民族音楽を研究した第一人者です。
かの坂本龍一さんは大学で小泉さんの講義を聴き衝撃を受けたそうです。
たしかに、アルバム『千のナイフ』は西洋とアジアと電子音楽が混じったアルバムです。その影響もあると思います。
僕が好きなアルバムTop 10 に入る名盤です。
書いてある内容も非常に興味深く、あなたの世界を広げる為に読んでみてはいかがでしょうか?
そして、題名が好き 🙂
制作全般
音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで
この本は『音』関することを、網羅した本です。
例えば、音の心理、音で空中浮揚、VR、声の話。。。
どれをとっても面白く、しかも分かりやすいです。音に興味があったら超おすすめです!
音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか
この本は上の本とは違い、音楽で使われる『楽音』自体を科学的に扱ったものです。
ドレミの成り立ちや民族音楽などなど、非常に内容に富んでいます。おすすめです。
僕がコントや演劇のために考えていること - 小林賢太郎
この本は学校に行ったわけではなく、ゼロからお笑い芸人、劇作家、パフォーミングアーティスト、演出家、漫画家、アニメ監督などとして活躍する小林さんの本です。
作曲の具体的な方法が載っているわけではありませんが、制作に関する金言が載っています。
必読です!
